焼肉屋の内装工事にかかる費用相場や内訳

焼肉屋を開業する準備を進めているならば、内装についてどのようにお考えですか。焼肉屋を成功させるには料理の味や提供するサービスが重要なことはもちろんですが、内装が集客を左右すると言われます。しかし、焼肉屋はカフェや居酒屋、ラーメン屋といったほかの飲食店に比べて、内装工事に費用がかかるため一般的に開業資金が高くつくのです。ここでは、そんな焼肉屋の内装工事のポイントを押さえたうえで、費用相場や内訳について解説します。

焼肉屋の内装工事を計画する際に必要なこと

焼肉屋に限らず、飲食店を開業するにはどのようなお店にしたいのかコンセプトを明確にすることが必要です。経営者が何をやりたいのかはっきりしないお店は、内装工事の段階から苦労することになります。お店の内装を考えるため、まずはターゲットにする客層を絞らなければなりません。子ども連れのファミリー層をターゲットにするのならば、小さな子どもがいても気軽に入れて、焼肉を楽しめるようなデザインが望ましいでしょう。観光客やカップルなどがちょっと豪華な雰囲気でゆったりと焼肉を楽しむには、ゴージャスで落ち着いた内装にします。そのようにお店のコンセプトに合わせて内装が決まっていくのです。

また、改装工事を依頼する業者は、デザインを中心に行う「デザイン・設計会社」や施工を専門とする「施工会社」、デザイン・施工とも手がける「設計・施工会社」から適したタイプの業者を選ぶことになります。デザインにこだわるならば「デザイン・設計会社「か「設計・施工会社」の方がイメージしたものと齟齬が生じにくいです。「施工会社」は職人に直接依頼するため費用を抑えられる可能性が高くなります。「設計・施工会社」に設計から工事までまとめて任せることを「一括発注」といいます。「デザイン・設計会社」と「施工会社」から費用や工事内容を比較して選ぶ場合を「分離発注」と呼びます。

「一括発注」は工事期間を短縮できるメリットがあります。工事期間は長くなりますがデザインと費用にこだわる場合は「分離発注」をおすすめします。業者を選んで内装工事のスケジュールが決まったら、工事に入る前に周辺の住民や近隣店舗、会社などに挨拶して回りましょう。工事の騒音や関係車両の出入りなどで迷惑をかけるため、経営者と業者で挨拶しておくことで心証がよくなります。

焼肉屋の内装工事はここがポイント

焼肉屋をはじめ飲食店の内装工事と聞いて住宅のリフォームをイメージするかもしれませんが、かなり違います。壁紙・クロスなどを張るところは似ていますが、飲食店の場合は電気、ガス、水道から空調システムまで行います。特に焼肉屋は煙を排出するための排気ダクト工事を必要とします。そのため店舗の内装デザインだけでなく、設備についても慎重に行わなければなりません。設備費を抑えた結果「水道管が詰まる」、「電気容量が不足する」、「空調が効かない」といった不具合につながっては開業に支障が出てしまいます。焼肉屋にとって「火力が弱い」、「煙を排出しない」などの事態は大打撃です。内装工事には店舗を正面から見た入り口の外観をいう「ファサード」や看板（サイン）なども含まれることがあります。

またビル内で営業する店舗は「内装材に不燃性のものしか使えない」などの建築基準法や消防法も頭に入れておきましょう。焼肉屋の内装の特徴としては、ほかの飲食店と違い、テーブルで肉を焼くため、煙を排出するダクトや空調設備に手を掛けなければなりません。さらに肉を焼いた油がはねるため、基本的には油汚れが付着しにくく、なおかつ着いた汚れをとりやすい材質の壁紙を使います。防水・防汚のため壁紙にフィルムを張ることもあり、傷にも強くて長持ちするウレタンコート素材のフィルムをよく用います。床も油が飛び、食材を落として汚れやすいため、継ぎ目がなく凹凸が少ない材質の床材を使用して汚れがたまりにくいように配慮する必要があります。

焼肉屋を開業するための内装工事の費用

焼肉屋を開業する資金は店舗の大きさによって違いますが、一般的に小規模で1,000万円～大規模で3,000万円ほどかかると言われます。まずは開業するための店舗物件を取得するために約500万円?1,000万円必要とされます。内装工事は坪単価で概算されることが多く、1坪あたり30万円～50万円程度になると踏んでおきましょう。たとえば、40坪の焼肉屋を開業する場合は内装工事に約 2,000万円（50万円×40坪＝2,000万円）ということになります。内装工事費の内訳としては物件によって変わりますが、空調設備と厨房設備に最も費用がかかります。ある内装工事の概算では排気ダクトの工事に1台あたり10万円以上、無煙ロースターの設備に1台あたり20万円以上、店舗全体の排煙システムに約200万円以上かかると算出されていました。

焼肉屋の内装や設備の費用を安く上げるには

焼肉屋を開業する際に店舗物件を購入するならば、不動産ローンを組むことが可能です。しかし物件購入は負担が大きいため賃貸物件で開業を考える方が多いのではないでしょうか。ただし内装工事の資金はローンを組めません。内装や設備に使う初期費用を抑えるためには居抜き物件を探す方法があります。居抜き物件とは前にテナントで営業していた店舗が、内装や設備を残して退去した物件をいいます。一方、スケルトン物件とは内装や備品、空調設備などを取っ払って建物の「骨」だけに戻したコンクリート打ちっぱなしの状態をいいます。

スケルトン物件はゼロから内装工事を行うため、デザインや備品類にこだわりを持つ場合に好まれます。焼肉店を開業するときに条件が合った居抜き物件を探すことが出来れば、内装や空調設備から厨房設備、さらには業務用のテーブルやイスといった什器まで前の店舗が残したものを使える可能性があります。特に費用がかかる厨房設備をそのまま活用できれば、新品を導入する場合に比べて概算で約300万円費用を抑えられます。ただし居抜き物件で残された設備は、状態が悪くなっていることもあり得ます。きちんと使用できるかどうか、必ず確認しましょう。

内装工事を検討する際によくある悩み

ネット上でも焼肉屋や飲食店の内装工事を検討している方の悩みをよく耳にします。内装工事について「どこに相談したらよいか分らない」という基本的な悩みにはじまり、連絡先を安易に教えることに不安を感じる方が少なくありません。昨今は電話番号やメールアドレスを教えたらしつこく営業してくる業者が増えているからです。業者がいきなり現地調査に来ることに抵抗感を訴える声や、なかには「悪徳業者」に引っ掛かって高額請求されるのではないかと警戒する声も見受けられました。内装工事の内容に関しては「複数の業者によるデザインを見比べたい」、「見積もりを比較したい」、「費用や相場を知りたい」、「費用を抑えたい」といった悩みが目立ちます。内装工事を行うにあたり「高額なので失敗したくない」、「本当に集客につながるのか」という相談もありました。

まとめ

焼肉屋を開業するにあたり、内装工事は避けて通れません。しかし、事前準備や下調べによってより効果的な内装工事になるか否かが決まります。経営者とはいえ、初めての開業ならば予備知識がないとしても無理はありません。そんなときは具体的に情報提供してくれるサイトで調べてみましょう。概算で費用や相場が分かり、見積もりについても悩みが解決するかもしれません。